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年末年始の事 ④

それは突然の報せでした。

父が肺炎(!)起こしたらしく個室に移されたと言うのです!


肺炎って…。
もうあかんやつやん…。

その日は仕事でしたが、
すぐ病院に行こうとすると、


母と先に病院に行っていた奥様が、

「今すぐ危ないというわけでもないから…」と、

この日は最後まで働いてから、真っ直ぐ病院に向かう事にしました。



病院に着いたのは夜の11時ちょっと前。

暗い病院を行くと、病室の前で母が蹲み込んでおりました…。

そして中からは父の呻き声が…。

ちょうど父が痰を吸引されており、凄い苦しそうな声で嗚咽してました…。


まだかかりそうだったので一旦談話室に行き、
これまでの状況を聞きます。

正常だった方の肺がやられてしまっている。
放射線治療の副作用かもしれない。
今日、明日がヤマかもしれない…。


などなど。

状況は最悪でした…。


3、40分ほど話していると看護師さんがやって来ました。


「ご本人様がもう苦しいので看取って欲しいと仰ってます。」


マジかよ!?
そんな急に…


急いで病室へと走る母。
ワタクシも後を追います。


病室に入ると、

「あ"〜っ!? あ"〜っ!?」

と叫んでいる父。

必死で宥める母親。


…しかし父は…


「もういい!もういい!
こんなに頑張ってだぞ! こんなに頑張ってだぞ!!

正月もここで! もういいんだって!」



…情けない事にここでワタクシは涙を抑えきれなくなりました。

そんな時も必死で宥める母と看護師さん。

看護師さんが
「今は数値も安定しております。鎮静剤を打ってしまったらもう目覚めませんよ。」
と諭します。

母が
「それでも打つのかい?ここまで頑張ってきたのに。」
と声を掛けると、


「…わかった。今はしない。あと一年頑張る」

そう言って横たわりました…。


父が落ち着きを取り戻した時、看護師さんに小声を掛けられました。

「息子さん、ちょっといいですか」



病室を出て話を聞くと、

「お母様はもう限界だと思いますので、息子さんにお話しさせて頂きます。
今数値が安定していると言っても、酸素が足りてない状態です。
全身に酸素を送る為に心臓が必死で動いています。
言ってみれば今は、全力疾走しているのと同じ状態です。

それでも脳まで酸素が充分に送られてないと思いますので、
突飛な言動や行動をする事があります。

充分に注意して診ていて下さい。」

「…わかりました。この状態を少しでも楽にさせる事は出来ませんか?」

「今、先生から預かっているのは意識を失わせる鎮静剤だけです。
一時的な鎮静剤を打ってもまた同じ状態になりますので、
目覚めた時同じ苦しさを感じてしまいます。」

「どのくらいで眠らせた方がいいんでしょうか?」

「それはご家族の判断になりますが…。
今の状況は決して良くありませんので、
明日会わせておきたい人がいるのなら連絡した方がいいいいと思います。」

「…わかりました、ありがとうございます。」

大体こんな感じの会話だったと思います。


(いよいよ介錯しないといけない時が来たか…。)

そう思い、病室に入ります。

父は既に現実と夢の境い目にいる状態でした。

父の隣で休んでいた母を見て、

「そこで寝てるのは誰だ?血だらけだぞ?」
「あ、兄貴か」
「あのモニターはどうやって動かすんだ?あ、こうか。」
「三人のコミュニケーションを壊す奴がいる。」

…ずっとこんな調子で話し続けていました。


母が少しだけ眠り、
一人で話し相手をしていた時、
父が徐にこんな話をし始めました。


「今、自分の姿を見てきた…。」

え?
見えちゃったの?


…もうこれはいよいよかな…。


「そして自分の血筋をずっと見て来た。俺は一人で生きて来たわけじゃなかったんだ…。」

「自分のマスク姿を見るのはもう嫌だ。このマスクを外してくれ。」
「そして、俺の死に顔は絶対誰にも見せるなよ。」


これは遺言なのか?!俺はどうすればいいんだ?!

「たのむ。外してくれ。」




「わかった。呼んでくる。」

覚悟を決めたワタクシはナースステーションに向かいます。


看護師さんがやって来ると、

父が怒り出します。

「なんで呼ぶんだよ!せっかくいいセリフ言ったのに!
勘弁してくれよ、看護師さん…このバカ息子が!」



父は鎮静剤ではなく、ワタクシに酸素マスクを外させて死ぬつもりだったようです。



いやいや、そりゃ出来んって!!

看護師さんが来た後も、母が起きた後も
酸素マスクを両手に取り顔につけようとしません!

「嫌だ!(酸素マスクをつけるのは)もう嫌だ!」

と叫び、頑なに酸素マスクを離そうとしないのです!


必死で宥めてなんとかマスクをつけようとするも
父は全力でマスク外そうとします。


そんなに嫌なもんなのか…。
死顔を見せるな発言といい、
そんなに人に弱ってる姿を見せるのが嫌なのか???

マジ、プロレスラーかよ!?



…しかし、また幻覚症状が現れ始め、
なんとかごまかしごまかし
ようやくマスクをつけさせました…。




この後、父は眠る事なく
朝まで幻覚を見ては話し続けておりました…。


日が明けたこの日、ワタクシは本当は仕事だったのですが、

看護師さんの
「今日はお休みをとって一緒にいてあげた方がいいと思います。」
との言葉に、

休みを取り父の側についている事にしました。


本当に休みをとってよかったです。

続く


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